ATR OPEN HOUSE 2023 ロゴ

社長挨拶

GREETING

「ATRオープンハウス2023」にご来場いただき、誠にありがとうございます。コロナ禍から立ち上がりつつある社会は、TV会議の普及という外面だけでなく、内面も大きく変わったと感じます。例えば、エコノミックアニマルによる総がかりの突貫工事で間に合わせた1970年の万博と比較して、準備の遅れが危惧される状況にある大阪・関西万博は、どこか他人事です。これを社会の老化と呼ぶのか新たな進化の端緒と捉えるのか判断は分かれるでしょう。ATR創業に貢献された京都大学の長尾真先生は、時代精神の変遷を語る中で、過去顕著だった「科学技術の時代」に替えて21世紀を「心の時代」にしたいと述べていました。急速に発展する科学技術にもかかわらず満たされない我々の心、あるいはウクライナ戦争に代表される人類のいがみあいを、宗教や科学技術がどう受け止め、どうすればよいか考えるべきというメッセージです。
1986年に情報化社会の到来を見据えて創業したATRは、通信のネットワークに始まり、脳内ネットワーク(脳情報科学)、体内ネットワーク(生命科学)、社会ネットワーク(ロボット、アバター)の研究へと発展してきました。ATR事業の根幹は、様々なネットワークのダイナミクスの研究開発にあり、少子高齢化社会を構成する人間に着目し、技術に裏打ちされた自己の行動変革を促すという点で、心の時代招来を目指したい。オープンハウスでは、各分野におけるATRの研究や対外連携に関して、事業開発や協業会社の取り組みとともに紹介いたします。
ATRオープンハウスは、「けいはんな R&D フェア」、「京都スマートシティエキスポ」、「けいはんなビジネスメッセ」との連携で開催してきましたが、2025年は、これらをさらにまとめ上げ、けいはんな万博の形で開催する企画も持ち上がっています。ATR以外のけいはんなにおける研究開発・事業以外も幅広くご覧ください。

株式会社国際電気通信基礎技術研究所
代表取締役社長
浅見 徹