プレスリリース

ロボットや携帯端末を持って行けば、人の位置や行動の環境情報が取り出せる
~~~テストベッドがユニバーサル・シティウォーク大阪TMで利用開始に~~~
-6月25日から利用申請受付を開始-

2008年6月24日
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
(株)国際電気通信基礎技術研究所(略称:ATR、代表取締役社長:平田康夫、京都府「けいはんな学研都市」)は、 ロボットや携帯端末を持って行けば、 環境のセンサ群が人の位置や行動情報を取り出せる「環境情報構造化プラットフォーム」を、 大阪(ユニバーサル・シティウォーク大阪)に設置しました(本年1月に発表済み)。 この度、多くのロボット開発者に、実証実験やフィールドマーケティングで使って頂くために、 運用体制(利用者登録・利用方法・開発者の要望への対応など)を整備し、 利用申請受付を6月25日から開始します。

 「環境情報構造化プラットフォーム」は、ロボットや携帯端末で人々にサービスするために必要な環境情報 (人々の位置、行動・空間のラベル)を、環境中に設置したセンサ群を利用して、 数値(物理的な観測量)だけでなく言葉(キーワード)の形式でもとりだせるネットワーク環境です (詳細は参考資料をご参照ください)。 ロボット開発者は、単体のロボットだけでなく、 この環境情報と組み合わせたサービスロボット・ソフトウェアを開発できるようになります。 環境情報として言葉を利用したアプリケーションソフトウェアを書ければ、将来、 環境のセンサ群が異なる別の場所に設置されたプラットフォームでも、ソフトウェアの再利用が可能になります。 ロボットだけでなく携帯電話などと連携したユビキタスネットワーキングサービス、 ネットワークロボットサービスの実験場所としても利用することが可能です。
これまでに、ATRは、ロボットサービスのトライヤルが行える場所として、 ユニバーサル・シティウォーク大阪(大阪市此花区)と(独)情報通信研究機構けいはんな研究所エントランス (京都府「けいはんな学研都市」)にプラットフォームを設置し、前者は本年1月に発表しました。 この2カ所は、ショッピングモールとオフィスビルという種類の異なる公共空間ですので、 プラットフォームの利用申請者は様々なロボットサービスのフィールドテストを行うことが可能になります。
本年1月の発表では、ATRが自社でプラットフォームを使ったロボットサービスの例を示すデモンストレーションを行いましたが、 この度、本プラットフォームの使い方(2カ所のプラットフォームの構成の詳細とインタフェース仕様とを記載した技術仕様書) と運営体制が整いましたので、その技術仕様書を一般に公開するとともに、ユニバーサル・シティウォーク大阪に設置した実験環境の利用申請受付を6月25日から開始します。

ユニバーサル・シティウォーク大阪の実験環境利用申請受付は、ネットワークロボットフォーラム (略称:NRF、149会員、http://www.scat.or.jp/nrf/)にご協力いただき、NRF事務局にて行います。 利用申請のフローや、申請書等は、ホームページ(https://irc.atr.jp/ptStructEnv/)をご参照ください。

今後は、ロボット・ビジネスに関心の高い企業や大学とのトライヤルを通じて、 プラットフォームの改良を図るとともに、様々なロボットサービスの可能性を試していきます。 ロボットサービスに関連の深い他のネットワーク環境(ネットワークロボット技術、 ユビキタスネットワーキングシステムなど)との相互接続などを進め、 ロボット・ビジネスを加速するためのロボットサービス実証実験の拠点作りを進めていきます。

なお、本実験環境は、 文部科学省の平成18年度科学技術振興調整費「科学技術連携施策群の効果的・効率的な推進」 課題「施設内外の人計測と環境情報構造化の研究」(実施機関:(株)国際電気通信基礎技術研究所、 (独)情報通信研究機構)の一環として構築されました。 ユニバーサル・シティウォーク大阪での実験実施場所の提供に関しては、 当施設を運営する住商アーバン開発(株)のご協力を得ています。

ユニバーサル・シティウォーク大阪でのプラットフォーム環境
図1 ユニバーサル・シティウォーク大阪でのプラットフォーム環境

仕様書、申し込み手順などの入手先:
    https://irc.atr.jp/ptStructEnv/

本件問合せ先:
㈱国際電気通信基礎技術研究所(ATR)経営統括部 広報担当 野間・福森
   電話:0774-95-1172・0774-95-1114 / FAX:0774-95-1178