ATR オープンハウス2021

11.12[FRI]

特別企画

セキュリティ・
プライバシ技術に
関する
研究開発

セキュリティ・プライバシ技術に関して、ATR及び外部協力機関の研究開発事例について、関連分野の動向を踏まえながらご紹介するセミナーです。セキュリティ脅威分析に関する研究開発及びメディカル・ヘルスケアデータのプライバシ保護技術に関する研究開発についてご紹介します。

講演・プレゼンテーション録画再生
基調講演:医療・創薬における
AI・データ利活用の現状と可能性 京都大学教授 奥野恭史
我々は、病院データや健診データを用いた疾患発症予測や、製薬会社と連携し創薬関連データを用いた創薬AIの開発を行っています。本講演では、これらの演者が取り組む具体的な事例を紹介することで、医療・創薬におけるAI・データ利活用の現状と課題、可能性について議論します。
セミナー講演:メディカル・ヘルスケアデータに対する
プライバシ保護技術 ~差分プライバシの適用~ 基礎 研究室長 橋本真幸
差分プライバシは、任意の攻撃に対する安全性を保証するプライバシ保護技術であり、近年注目されています。しかし、データにノイズを加えることから、データ分析や機械学習の結果に影響を与えないよう、データの種類やユースケースに合わせた適用が必要です。本講演では、メディカル・ヘルスケアデータへの差分プライバシ技術の適用について紹介します。
基調講演:サイバーセキュリティ分野への機械学習の応用 神戸大学准教授 白石善明
サイバーセキュリティが重要となっている今日において、セキュリティに関連する様々なデータに対する高度な分析が求められており、機械学習の応用が進んでいます。本講演では、これらの研究開発事例について紹介すると共に、脆弱性情報の分析技術に関する最新動向を紹介します。
セミナー講演:脆弱性情報からのセキュリティ脅威予測 応用 研究技術員 小津喬
ソフトウェアなどの脆弱性が報告された際に、その脆弱性が実際に攻撃に使用される危険性を予測する技術について紹介します。この技術では、脆弱性を記述した過去の公開文書を学習することで、新しく文書が公開された脆弱性の危険性を予測します。本講演では、学習モデル作成時からの時間経過による予測精度の変化についても分析します。
電波COE研究
開発プログラム
~電波利活用
強靭化セッション~

電波COE研究開発プログラムとは、無線分野の研究者を育成するために令和元年度に開始された総務省からの委託事業です。メンターからアドバイスを参考に共同型研究開発、外部開放型研究環境の整備、電波の利活用に関する啓発活動を行っています。このセッションでは、無線通信に関する講演と電波COEで実施している各種活動の現状を紹介します。

講演・プレゼンテーション録画再生
電波有効利用関連施策の動向(招待講演) 総務省 総合通信基盤局電波部電波政策課 検定試験官 石原浩樹
今や、電波を使わない生活は考えられないほど電波は生活の中に溶け込んでいる。それに伴い、電波利用は重要なインフラとなったが、割当て可能な周波数は限られている。本講演では、電波を効率的に利用するために実施されている施策のうち、電波有効利用技術に関する研究開発等を後押しする施策について紹介する。
望ましい未来の社会と5G/Beyond 5G(招待講演) 株式会社日経BP 技術メディア局 局長 河井保博
5Gが徐々に広がり、2030年頃にはBeyond 5Gの時代を迎える。そのころ、5G/Beyond 5Gのインフラが支える社会はどうなっているのか。予想し得る未来と、そこで予想される課題を乗り越えた望ましい未来について考察することで、Beyond 5G時代の社会像を探る。
電波利活用強靭化に向けた周波数創造技術に関する
研究開発及び人材育成プログラム ATR波動工学研究所 所長 鈴木義規

総務省の戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)により、京都大学と連携してワイヤレス分野の中核拠点:電波COE(Center of Excellence)を構築し、電波利活用強靭化技術(柔軟でかつ力強い電波利用を支える技術)に関する5つの先端的研究開発を通じて、セレンディピティ(思わぬものを発見する能力)を持つ意識の高い無線研究者・技術者を育成します。

COE課題1 (Society 5.0の実現に向けた大規模高密度マルチホップ
国際標準無線通信システムの研究開発) 応用 株式会社日新システムズ システム・ソリューションシステム事業部 企画開発室 室長 柏木良夫

住宅密集地域でのIoT機器利用や、設置後に周辺環境が変化しても安定動作するように、大容量高密度環境にて高い接続率で通信できるマルチホップ無線規格を研究開発、国際標準化します。同無線システムを搭載したIoTゲートウェイ機器および社会実装用センシングデータ取得基盤を開発して、Society5.0が想定するサービスに展開、社会実装します。

COE課題2 (冗長検査情報を用いる通信品質要因解析に基づく
無線アクセス技術の研究開発) 基礎 京都大学 大学院情報学研究科 准教授 山本高至

無線通信では通信の成否は分かるものの、その要因は一般的に不明です。そこで、送受信期間など(冗長検査情報と呼びます)を付加・収集し、通信成否の情報等と組み合わせることで要因解析が実現できることを示します。加えて、解析結果に基づき高効率な無線パラメータ設定を行うアクセス制御技術の開発状況を紹介します。

COE課題3 (広域系WRANを用いた
高能率周波数共用システムの研究開発) 基礎 京都大学 大学院情報学研究科 特任准教授 水谷圭一

-VHF帯広域系WRAN (Wireless Regional Area Network) により取得した遅延プロファイルなどの電波ビッグデータ(様々な電波の特徴量データおよび付随する関連データ)を活用し、受信した電波の特徴量から当該端末の位置推定を実施する手法や、電波センサを開発し、高能率な周波数共用システムの実現を目指します。

COE課題4(電波を用いた新しい近接センシング技術に
関する研究開発) 応用 ATR波動工学研究所 研究員 栗原拓哉

-電波は通信以外にも我々の身の回りの様々な場面で使われています。例えば、電子レンジでの加熱や、GPSによる測位などがあります。我々はその電波をセンシングへと応用した「入力インピーダンス検知方式」を研究しており、人物の検知や、紙厚の検出等を対象に、検出技術の確立を目指しています。また、さらなる応用アプリケーションの検討を進めています。

COE課題5 (三次元全方位走査
フェイズド・アレイ・レーダーの研究開発) 応用 WaveArrays株式会社 代表取締役 賀谷信幸

-全方位走査可能な三次元フェイズド・アレイ・アンテナをレーダーに応用し、全方位からのエコー波を瞬時に測定可能な超高速レーダーに進化させます。いろいろな周波数や用途に適したレーダーを開発します。本研究では、フェイズド・アレイ・レーダーの性能向上のために専用MMICを開発し、技術実証として宇宙デブリ観測用衛星搭載レーダーの実現を目指します。


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