社長挨拶
GREETING
「ATRオープンハウス2024」にご来場いただき、誠にありがとうございます。
2025年大阪・関西万博(EXPO2025)は、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマで、「人間一人一人が、自ら幸福な生き方とは何か」を正面から問う初めての万博です。ATRは「誰もが自在に活躍できるアバター共生社会」を掲げた石黒浩シグネチャーパビリオンの考えに共鳴し、それを支援する形で万博に貢献してまいりました。
ATRは、社名に「電気通信」が含まれているように、電気通信の研究所として発足しました。しかし、38年後の現在は、脳科学、ロボット、生命科学といった一見して社名と関係がない研究分野の研究も精力的に行われております。これは、現代の科学技術が、要素技術の研究からシステムの研究に大きく重心を移しているからです。システムとしてみたときの電気通信は、電気通信ネットワーク上を流れる電気信号のダイナミズムの研究と言えます。この観点では、脳情報科学は神経ネットワーク、アバターやロボットの研究は人を含む社会ネットワーク、生命科学は臓器間あるいは細胞間のネットワークの研究とみなすことができます。社会ネットワークの究明は残された研究課題の中でも最も大きな課題の一つでしょう。ATRは、このため、理念に社会課題解決を押し出し、少子高齢化社会を構成する人間に着目し、健康長寿社会を目指した技術に裏打ちされた行動変革を促していきたいと考えています。
大阪・京都・奈良にまたがるけいはんな地区では、EXPO2025の開催決定を受け2019年5月に「けいはんなで大阪・関西万博を考える会」を立ち上げました。紆余曲折を経て、昨年11月にサテライト会場を目指した実施母体であるけいはんな万博運営協議会が発足しています。これまで、ATRオープンハウスは、「けいはんな R&D フェア」、「京都スマートシティエキスポ」、「けいはんなビジネスメッセ」との連携で開催してきましたが、2025年に向けて、これらをさらに統合し、けいはんな万博の形で開催することになりました。けいはんな万博はEXPO2025の理念の中の「人」に注目し「未来社会への貢献 ~次世代への解~」がテーマです。
これを受け、今年のATRオープンハウスは、「万博、そしてその先へ~科学技術が描く未来~」と題して開催いたします。けいはんな万博を踏まえ、ATR以外のけいはんなにおける研究開発・事業も幅広くご覧ください。
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
代表取締役社長
浅見 徹
