プレスリリース

日常活動型コミュニケーション・ロボット「Robovie-III」を開発
世界初!二輪バランスで、様々なコミュニケーション動作を実現するロボット

(株)国際電気通信基礎技術研究所 平成14年3月25日

   (株)国際電気通信基礎技術研究所(京都府相楽郡精華町 関西文化学術研究都市 社長 畚野信義、略称ATR) のメディア情報科学研究所(所長 萩田紀博)は,世界で初めて二輪バランスで移動できるロボット (日常活動型ロボット「Robovie-III(ロボビースリー)」)をコミュニケーションの研究用に開発しました.

ATRでは,人間とロボットの対等なコミュニケーションの実現を目指し,Robovie(ロボビー)シリーズを開発してきました。 今回発表するRobovie-IIIは,2000年8月にATRが開発したRobovieの基本的なコミュニケーション機能 (3軸の頭部,4軸の腕,皮膚センサ,移動機能,全方位画像認識機能,音声対話機能, 超音波距離センサ)を継承しています。 これに、腰、胸、指を追加することによって、様々な格好や動作を表現できるようになり、 日常活動におけるコミュニケーション動作のバリエーションを増やしたことが第一の特徴です(図1)。 また、第二の特徴として、世界で初めて、同軸二輪倒立振子の移動機構を導入することよって、 倒れにくい安全な日常型ロボットを実現しました。 この機構によって、上半身のダイナミックな動きに対しても体の左右につけられた二輪でバランスをとって、 立つまたは移動することが可能です。これらの特徴を活かして、例えば,子供とひざ下の物体について話をしたり、 背丈の違う様々な人々と目線を合わせて話をしたり、後ろを振り返って話しをしたり、腰を使ったユーモアのあるジェスチャ表現、 指を使って特定物体を指し示すことが可能になります(図2)。これらの新しい動作と従来からある会話機能、 各種センサ情報を統合して、人間と日常活動型コミュニケーション・ロボット(*1) のコミュニケーション原理とロボットの演出方法、および具体的な応用について検討していきます。
なお、本研究は通信・放送機構(TAO)の研究委託により実施したものです。


※Robovie(ロボビー)シリーズは、実用化され株式会社ATR-Promotionsにてお取り扱いしています。