ATRの新たな基本理念&社長ご挨拶

新たな基本理念

ともに究め、明日の社会を拓く
情報通信関連分野の先駆的研究とイノベーション創出で課題解決に取り組む
私たちの存在価値
私たちの文化
●研究機関の視点でイノベーションエコシステムの発展に寄与します
●社会課題に加え、創出型課題に取り組みます
●先見力と挑戦心をもつ人材を輩出します
※創出型課題:研究者自らが見出し挑戦する課題
●他機関との協働や人材交流をオープンに推進します
●国際的見地で価値を追求します
●けいはんな学研都市の発展に中核的な役割を果たします


ご挨拶

令和 8年
株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)


Asami

 代表取締役社長 
 浅見 徹 
 あけましておめでとうございます。
 ATRが所在するけいはんな学研都市にとって、2025年は「大阪・関西万博」と「けいはんな万博」により、大いに活気づいた一年となりました。大阪大学教授でもある石黒浩特別研究所長が牽引する「誰もが自在に活躍できるアバター共生社会の実現」は、「いのちの未来館」において実証実験を行うこととなり、ATRとしても社を挙げて支援してまいりました。その結果、内閣府が推進するムーンショット型研究開発制度のプロジェクトとして、これ以上ない成果発信の場となりました。
 また、「けいはんな万博」では、スケートボードを操るヒューマノイドロボットのデモンストレーションを実施するとともに、「ロボット・アバター・ICT」および「スタートアップ」の運営部会をも担当することとなり、まさに喧騒の中で駆け抜けた一年であったと振り返っております。
 この一年を俯瞰しますと、AIが人の支援にとどまらず、アイデア創出から論文執筆までを担い、最難関の国際学会論文に採録され得ることが次々と実証されました。AIはもはや単純作業の効率化に留まらず、創造性の領域においてすら人間を代替し得る存在に至ったと言えます。レイ・カーツワイルが2045年に到来すると予測していたシンギュラリティは、体感的にはそれよりもはるかに早く訪れています。
 この状況を踏まえると、資本主義体制を支える最小構成単位は、もはや「人間」ではなく、「人間とAIの協働」と捉えるべき時代に入ったと考えます。AIには、LLMs (Large Language Models)に代表される「見えないAI」と、ロボットやアバターに代表される「見えるAI」があります。アバターは遠隔操縦ロボットであり、ATRがこれまで培ってきた無線通信技術を最大限に活かすことのできる応用分野でもあります。
 さらに、「見えるAI」を一歩進め、身体や感覚と直結するロボットを、私たちは「サイボーグAI」と呼び、脳情報科学の分野で研究を進めてまいりました。脳情報科学のもう一つの重要な目標は、薬剤に依らない精神疾患治療の実現にあります。アバター、サイボーグAI、そして精神疾患治療は、いずれもATRが「いのちの未来」に向けて取り組む研究開発の中核をなすものです。
 シンギュラリティが現実のものとなった今、企業経営もAIとの協働へと移行し、研究の在り方そのものも大きな変革を遂げていくことが見込まれます。国内外の大学、研究機関、企業等との研究交流や共同研究を通じた関係性の構築に、これまで以上に積極的に取り組んでまいります。
 本年も引き続き、ATRへのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。