プレスリリース

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[報道発表資料]
(株)国際電気通信基礎技術研究所
音声言語コミュニケーション研究所

どこでも使える携帯型音声翻訳システムを開発
---携帯電話接続による音声翻訳の実証実験を実施----

(株)国際電気通信基礎技術研究所(けいはんな学研都市、社長:畚野信義、略称:ATR)は、 このたび、携帯電話、PHSなどの公衆移動通信サービスのエリア内であれば、 日本中のあらゆる場所で音声翻訳が利用可能なクライアント・サーバ型音声翻訳システムを開発し、 同システムの屋外実証実験を行いました。
 携帯型音声翻訳システムは、既に全国に張り巡らされた移動通信ネットワークを介して、 多言語(日本語-英語、日本語-中国語)の音声翻訳を提供するものです。 携帯端末(PDA)に文章を音声で入力すると、センタの音声翻訳サーバが相手言語に翻訳した結果を、 文字と音声で端末に返します。 クライアント・サーバ間の通信は、携帯電話・PHS等の既存データ通信サービスの利用が可能で、利用者は、 携帯端末1台で言語双方向の音声翻訳サービスを享受することができます。 街中、観光地、ホテルなど、外国語でのコミュニケーションが必要な場所で、 即座に手軽に利用できる翻訳手段として期待されます。
ATRではこれまで多言語対話音声翻訳技術の研究開発を進めてまいりました。 今回、開発したシステムは、携帯端末に入力された音声情報を圧縮した上でサーバに伝送し、 サーバで相手言語に翻訳した結果を、端末に音声とテキストで返すもので、この一連の処理を、 携帯電話あるいはPHSで提供されているデータ通信サービスを介して、ストレスのない速度で実行可能とするものです。 また、携帯端末には、既にATRで開発した、小型マイクロフォンアレイユニットを用いており、 騒音下でも高い精度の音声認識が可能です。 これにより、利用者がマイクを装着することなく端末を自然に手に持った状態で端末に話し掛ける自然なインタフェースを実現しました。
 今回の実証実験に用いた可搬型音声翻訳システムは、独立行政法人情報通信研究機構(NICT) 民間基盤技術研究促進制度の委託研究「大規模コーパスベース音声対話翻訳技術の研究開発」、 および総務省の研究委託「携帯電話等を用いた多言語自動翻訳システム」により開発しました。

 
図 クライアント・サーバ型音声翻訳システム




図 移動データ通信網を介した音声翻訳サービス


連絡先:ATR音声言語コミュニケーション研究所
企画担当 袋谷丈夫 tel: 0774-95-1301

※音声言語コミュニケーション研究所は、研究プロジェクトを終了しています。