プレスリリース
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資料提供日:2007年7月17日(火)
資料提供日:2007年7月17日(火)
ショッピングセンター内を案内するロボットの実証実験の実施について
-ICタグで顔見知り感と親近感を感じるロボット対話の実 現をめざして-
2007年7月17日
(株)国際電気通信基礎技術研究所
(株)国際電気通信基礎技術研究所
ATR(代表取締役社長:平田康夫、京都府けいはんな学研都市)は、7月23日から8月31日にかけて(土曜・日曜及び8月13日~8月17日を除く)、 イオン高の原ショッピングセンターにおいて、ジェスチャや音声で対話をしながらお客様に同センター内の施設や店舗をご案内するロボットの実証実験を実施し ます。この実験は社会に受け入れられるロボットの実現に向け、人とロボットとのコミュニケーションの可能性を追求するものです。
実験では、モニタの方に携帯ストラップ型ICタグ(*1)を予め配付しておきます。モニタの方がショッピングセンターに来店して、ICタグをロボット (*2)の体に近づけると、ロボットがその人を認識して名前やニックネームを呼び、ジェスチャや音声でセンター内の施設や店舗を案内します。期間中、何度 も来店してロボットと話す機会が増えると、ロボットが以前案内した内容や一緒に話した対話履歴に基づいて話し方を変えます。これによって、一般の方にも、 ロボットに親しみや顔見知り感を感じていただきます。 ICタグがない場合でも、ロボットの周りの床に敷いた圧力センサとロボットの目(カメラ)が連動す ることで、ロボットが施設や店舗の案内をすることができます。
なお、本実証実験は、総務省委託研究「ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発(ネットワークロボット技術)」(実施機関:(株) 国際電気通信基礎技術研究所、(株)東芝、日本電信電話(株)、三菱重工業(株))の一環として行うものです。 また、場所の提供に関しては、イオン株式 会社、関西文化学術研究都市センター株式会社のご協力を、モニターの参加募集などの仲介・調整に関しては、財団法人関西文化学術研究都市推進機構のご協力 を得ています。
(*1)携帯ストラップ型ICタグ
(*2)ロボット(Robovie-IIF)

実証実験に先立ち、報道機関様向け内覧会を下記の要領にて実施いたします。ぜひ取材にお越しくださいますようご案内申し上げます。
◆実証実験内覧会◆
日 時 平成19年7月23日(月)
11:00 ~ 12:00
場 所 イオン高の原ショッピングセンター 2階 平城コート
内 容 実際の実験で実施予定である、ロボット(Robovie-IIF)によるショッピングセンター内の施設や店舗の
案内、情報提供、ICタグを使った親しみのあるコミュニケーションのデモンストレーション
また期間中、実際の実験についても取材をお受けしたいと思います。
下記まで事前にご連絡をいただければ幸いでございます。
㈱国際電気通信基礎技術研究所(ATR)経 営統括部 広報担当 野間・福森
電話:0774-95-1172 / FAX:0774-95-1178
1.実証実験の概要
(1)実証実験期間及び場所
2007年 7月23日(月)~ 8月10日(金)13:00~17:00 及び
8月20日(月)~ 8月31日(金)13:00~17:00 (土、日を除きます)
※都合により、実証実験期間、時間を変更する場合があります。
場 所:「イオン高の原ショッピングセンター」2階 平城コート(下図参照)
(京都府木津川市相楽台1-1-1)

<オープニングイベントの開催について>
7月22日(日)14時及び16時の2回、オープニングイベント「ロボドリーム」を同ショッピングセンター2階の平安コート(上図参照)にて開催します。
(2)実験内容(案内ロボットのサービス内容)
ATRが開発したロボット(Robovie-IIF)1台を使用し、以下のロボットサービスを提供します。
・ショッピングセンター内の施設や店舗の案内
施設や店舗を尋ねると、ロボットがジェスチャを交えて施設や店舗の場所を案内します。
・情報提供
ショッピングセンターのイベント情報などをロボットが提供します。
・お客様を識別したコミュニケーション
ICタグによりお客様を認証し、そのお客様との過去の対話履歴に基づいてコミュニケーションを行います。
(3)実験モニタ
約700名の実験モニタ参加者を募集し、携帯ストラップ型ICタグを配布します。実験モニタは、ショッピングセン ター周辺にお住まいの方を中心として事前に募集すると共に、実験開始より一定期間(1週間程度を予定)は実験
実施場所でも実験モニタの参加申込みを受け付けます。
なお、ICタグを持っていない方でもロボットとのコミュニケーションや案内ロボットを体験できますが対話履歴に 基づくコミュニケーションはできません。
2.今後の予定
本実証実験の結果を基にして、ロボットが対話を通じて繰り返し人にサービスを提供した場合の顔見知り感や親しみ感を生み出す効果的な対話行動技術を研究 していきます。
なお、「けいはんな地区」は、これまでも何度かロボットの実証実験を実施して実績があり、今度とも生活支援ロボットに関わる実証実験等を支援・推進するこ とを目的として、平成19年7月5日にけいはんな生活支援ロボット実証実験推進協議会(事務局:財団法人関西文化学術研究都市推進機構及びけいはんな新産 業創出・交流センター)が設立されました。今回のショッピングセンターの実験は、本協議会の支援を得て実施します。
<用語と解説>
[1]ICタグ
小型の情報チップで、タグリーダと呼ぶ情報読取装置を用いることにより、無線通信で容易にその情報を読み
取ることができます。人や商品にICタグをつけておけば、人の認証や商品の生産地・流通経路の管理ができます。
なお、今回の実験では、電池交換などのメンテナンスが不要でタグ自体も低コストであることから、パッシブ型
ICタグを使用します。パッシブ型ICタグは、タグリーダからの電波をエネルギー源として動作するため電池を必
要としないことが特徴です。ただし、情報の読み取りの際には、タグリーダに近づける必要があります。
[2]ネットワークロボット技術
ネットワークロボット技術とは、異なる種類のロボットをネットワークでつなぎ、ロボット同士を連携・協調させること
により、単体のロボットに比べて、人とロボットとのコミュニケーション能力を向上させることを狙った技術です。
ネットワークロボットでは、ロボットの概念を拡張し、人型ロボットに代表される身体を持ったロボット(ビジブル型
ロボットと呼ぶ)に加え、人の位置や動きを検出するようなカメラやセンサ又はICタグやタグリーダもロボットの一つ
として考え、これをアンコンシャス型ロボットと呼びます。物理的な体を持たず電脳空間(サイバー空間)で動作し
て人に情報提供などを行うソフトウェアもロボットの一種と考え、これをバーチャル型ロボットと呼びます。
ネットワークロボットは、この3タイプの複数のロボットがネットワークを通じて連携・協調して、人の活動を助ける
ようなサービスを提供します。

ネットワークロボットの案内・誘導サービスイメージ
[3]Robovie-IIF(ロボビー・ツーエフ)
ATRが開発したロボットで、人間の目・耳・口の代わりに、カメラ・マイク・スピーカーなどの装置が取り付けられた コミュニケーションロボットで す。全身の11箇所の関節を駆使し、コミュニケーションに必要な様々なジェスチャー が可能です。
<特徴>
・完全自律型コミュニケーションロボット
・人間とよく似た自由度配置
・周りが見渡せる全方位視覚センサ
・触れられると感じる皮膚センサ
・高さ1140×幅520×奥行き500(mm)
・重さ39kg