プレスリリース

報道関係者各位
2010年 8月1日
大阪大学
株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
株式会社イーガー


遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」発表会

大阪大学とATRは、人の存在感を効果的に伝えうるデザインを採用した小型の遠隔操作型アンドロイド 「テレノイドR1」を開発しました。この開発に関して報道発表を行いますので、御参集いただければ幸いです。
(注)テレノイドの開発は、科学研究費補助金 基盤研究(S)「遠隔操作アンドロイドによる存在感の研究」
 <研究代表者 石黒 浩(大阪大学教授・ATRフェロー)>の一環として行われたものです。

 これまでに開発された人の存在感を伝える遠隔操作アンドロイドである、ジェミノイドHI-1(ATR開発) やジェミノイドF (大阪大学とATRとの共同開発)は、外観を実在する人間の姿形に極めて近づけ、 特定の個人の存在感を伝えようとするものでした。これに対して、今回開発したテレノイドR1は、 人間としての必要最小限の見かけと動きの要素のみを備えるものとなっています。 このテレノイドのデザインは、一目で人とわかるものであると同時に、男性とも女性とも、 あるいは幼い子とも高齢者とも見えるデザインとなっており、 あたかも遠隔地で操作している知人が側にいるような存在感を実現します。 さらに、柔らかく、肌触りの良い外装と、子供のような小型のボディの採用により、 容易に抱えることができます。つまり、誰でも乗り移れ、スキンシップも図れるものとなっています。

テレノイド(Telenoid)は、Telephone(電話)やTele-operation(遠隔操作)のTeleに、 Humanoid(人間型ロボット)のnoid(~のような)を組み合わせて命名しています。
 このテレノイドは、研究面では、人らしい存在感を遠隔地に伝えるために必要な要素を探る研究において利用していきます。 また実用面では、遠隔対話メディアとしての利用に加え、遠隔教育、デイケア、在宅勤務など、 幅広いシーンでの利用が期待されます。

テレノイド R1の主な特徴は以下の通りです。
 ・人の存在感を効果的に伝える見かけと動きを備えたデザインを実現
 ・柔らかく、安心感を与える外装を採用
 ・アクチュエータ数を削減し、コストダウンを実現
  (Telenoid R1:9、Geminoid HI-1:50、Geminoid F:12)
 ・電気モーターの採用により、システムの大幅な小型化と配線の簡単化を実現
 ・ATRで培われた遠隔操作システム技術に基づき、誰もが容易に遠隔操作できるシステムを実現
なお、このテレノイドは、 遠隔操作システムとともに(株)イーガーから販売します。