プレスリリース
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繰り返し運動の上達には、“時々”目を使うのがコツ!
~周期運動に特有な運動誤差情報の脳内処理メカニズムが明らかに~
~周期運動に特有な運動誤差情報の脳内処理メカニズムが明らかに~
【背景】
一般に、バスケットのドリブルのような繰り返し動作を伴う周期運動を学習して上達していくには、 実際の運動と目標とする運動との違いを常にしっかりと見定めることが重要であると直感的には感じます。
ドリブルのほかにも、歩行、楽器演奏、タイピングなど、繰り返し動作を伴ういわゆる「周期運動」は、 我々の日常生活や文化的活動にとって重要な運動形態の一つです。 しかしながら、これまで運動学習に関する脳内メカニズムの研究は、主に一回きりの運動(物を投げたり、 何かに手を伸ばしたりといった「離散運動」)を対象に行われており、 日常運動の大きな部分を占める「周期運動」の学習メカニズムについては、よく分かっていませんでした。
そこで今回、我々は、「周期運動」を学習する場合に、脳が視覚的な誤差情報(実際の運動と目標の運動との“ずれ”) をどのように処理し、運動を修正・学習しているのかを、“システム同定*2” というデータ解析手法を用いて調べることにしました。
【今回の成果】

【今後の展望】
今回、脳が運動の視覚的な誤差情報をどのように処理しているかを明らかにしました。 我々は、このように脳の情報処理の仕組みの理解を更に進めていくことが、 より効率的な運動技能の獲得や再獲得法の開発につながると考えています。
<用語解説>
*1 米国神経科学学会誌 『The Journal of Neuroscience(ニューロサイエンス)』
米国神経科学学会(http://www.sfn.org/)のオフィシャル雑誌。
*2 システム同定
実験データに基づいてシステムに対する入出力の動的特性を決定する工学的手法。
*3 マニピュランダム
運動学習研究等に用いられるロボットアーム実験装置。今回の実験では、被験者はハンドルを握ってアームを
動かすことによってスクリーン上のカーソルを操作する。このときのハンドルの位置、速度を精密に計測できる。
<関連情報>
米国神経科学学会誌 『The Journal of Neuroscience』 2012年1月11日号
URL: http://www.jneurosci.org/content/32/2/653.full.pdf+html
Tsuyoshi Ikegami, Masaya Hirashima, Rieko Osu, and Daichi Nozaki,
"Intermittent Visual Feedback Can Boost Motor Learning of Rhythmic Movements: Evidence for Error Feedback Beyond Cycles”,
The Journal of Neuroscience, 11 January 2012, 32(2):653-657; doi:10.1523/JNEUROSCI.4230-11.2012
補足資料(PDFファイル)
< 研究内容に関する 問い合わせ先 > 独立行政法人情報通信研究機構 未来ICT研究所 脳情報通信研究室 池上 剛 Tel: 0774-95-1214 国立大学法人東京大学大学院 教育学研究科 身体教育学コース 野崎 大地 Tel: 03-5841-3983 |
<広報 問い合わせ先 > 独立行政法人情報通信研究機構 広報部 廣田 幸子 Tel: 042-327-6923p 国立大学法人東京大学 教育学部庶務チーム 権藤 智香子 Tel: 03-5841-3903,3904 株式会社 国際電気通信基礎技術研究所 広報担当 福森 えい子 Tel: 0774-95-1172 |