プレスリリース

電波利活用強靭化に向けた電波COE研究開発プログラムの研究成果公表について
~関西における無線研究センターオブエクセレンスの構築と成果~

2023年 5月19日

株式会社国際電気通信基礎技術研究所
国立大学法人京都大学
学校法人福岡大学
学校法人同志社 同志社大学
国立大学法人神戸大学
株式会社日新システムズ
株式会社日立国際電気
WaveArrays株式会社

 株式会社国際電気通信基礎技術研究所(以下「 ATR 」)と国立大学法人京都大学(以下「 京都大学 」)は、相互に連携して電波COE(Center Of Excellence)研究開発プログラムを2019年より推進してきました。このプログラムは、将来のSociety5.0時代の到来を見据え、電波利活用強靭化に資する複数(5つ)の研究開発を若い研究者/技術者を研究代表者に据えた産学連携プロジェクトとして推進し、短期間での研究成果の創出と人材育成を目指すというものでした。プログラムでは、研究成果創出と人材育成を両立させるために、最新研究環境の構築と提供やメンターによる指導も合わせて実施しました。4年間の取組みを経て、目に見える研究成果が得られましたのでこの度公表いたします。
 取組んできた技術課題は5つあります。以下にそれぞれの技術課題、体制、研究開発成果についてご紹介します。
【技術課題1】
技術課題名:Society 5.0の実現に向けた大規模高密度マルチホップ国際標準無線通信システムの研究開発
研究代表者:日新システムズ 柏木 良夫
研究体制:日新システムズ、京都大学
研究概要:本研究開発では、マルチホップに対応した無線規格の国際標準化と研究開発を実施しました。
 都市部などの機器設置後に周辺環境が変化する環境では、自律的に経路を構築しつつ大規模高密度な環境でも安定した通信が可能になる無線規格が必要とされています。そのようなマルチホップ無線規格の開発、国際標準化を行い、この無線規格を用いた無線機を開発、その無線機を数百台規模で集積させ、大規模高密度な環境で通信試験を行うことができる試験機を開発しました。この無線機1,000台を用いて、マルチホップ接続にて伝送成功率99.9%以上でデータ収集できることを実証しました。また、低消費電力デバイス用通信方式の仕様提案を行い、その通信方式を搭載した低消費電力対応無線機を電源駆動デバイスの配下に接続してデータ伝送できることを実証しました。さらに、この通信規格で収集したデータを活用できるように、社会実装用センシングデータ取得基盤を開発しました。
研究開発したWi-SUN FAN無線IoT機器400台を用いて社会実装を前提にした大規模実証試験を行いました。
 今後はこれらの成果を用いて医療や工場、防災・減災などへの社会実装を進めていきます。
(詳細は付属資料の技術課題1をご覧ください。)
【技術課題2】
技術課題名:冗長検査情報を用いる通信品質要因解析に基づく無線アクセス技術の研究開発
研究代表者:京都大学大学院情報学研究科 准教授 山本高至
研究体制:京都大学、福岡大学、ATR
研究概要:駅やホテルなどで、無線LANに接続できているのにインターネットに接続できないことがあります。従来では、このような障害の原因を特定するために必要な情報の記録・共有を行っておらず、問題の解決が困難でした。そこで、本技術課題では各無線機器の送受信タイミングや伝搬路の状態などの機器内部情報を記録して無線機器間で共有してAI・機械学習により通信障害の原因を切り分け、原因に応じて制御を行うことにより高速・高密度な通信を実現する技術を開発いたしました。
 無線LANの障害原因の切り分けを実現するとともに、従来技術と比べ、スループットを50%以上向上させる無線機制御アーキテクチャ、ならびに強化学習により無線機器間での衝突の発生確率を半分以下に低減する技術の開発に成功いたしました。
(詳細は付属資料の技術課題2をご覧ください。)
【技術課題3】
技術課題名:広域系WRANを用いた高能率周波数共用システムの研究開発
研究代表者:京都大学大学院情報学研究科 准教授 水谷圭一
研究体制:京都大学、日立国際電気
研究概要:VHF帯を用いる広域系WRAN(Wireless Regional Area Network)の伝搬・伝送特性を利用して、Sub6GHz帯の干渉を予測・回避し、高効率なSub6GHz帯周波数共用を実現する技術の確立を目指します。WRANの代表例であるARIB STD-T103/T119システムは、国内のVHF帯で運用される公共業務用無線システムです。見通し外でも長距離大容量通信が実現できるため、災害現場や緊急現場等における無線通信システムとして配備が進められています。しかし普及が進むと今後帯域の不足が懸念されます。そこでVHF帯の電波を使いつつ、既に他システム(特に自営通信)に割り当てられたSub6GHz帯を周波数共用によって利用することを考えます。この際、緊急時に限り公共業務無線システムを優先的に利用するためには、優先的に周波数を利用させる公共業務端末(優先端末)の存在場所を把握し、その上で電波が干渉を及ぼすエリア(電波保護領域)を推定し、干渉を与える場合には出力を低下させる措置を取る必要があります。緊急時にGPSが利用できない場合も想定し、本研究ではまず、優先端末が具備するARIB STD-T103/T119が送出するVHF帯信号を、高精度に検出可能な電波センサーを開発して受信し、当該受信信号から算出した瞬時チャネルインパルス応答(CIR)と機械学習を用いて、当該電波が送出された場所を推定する技術を開発し、京都市左京区のフィールドにおける実証試験において、正解率95%以上の推定精度を達成できることを示しました。さらに、電波保護を確実に実施しつつ、自由空間伝搬モデルに比べて99%以上不必要な干渉保護領域を削減可能なモデルを開発し、実際の伝搬実験によりその効果を実証しました。今後はさらに端末場所推定精度の向上、実用化に向けた手法簡略化等の取り組みを実施してまいります。
(詳細は付属資料の技術課題3をご覧ください。)
【技術課題4】
技術課題名:電波を用いた新しい近距離センシング技術に関する研究開発
研究代表者:ATR波動工学研究所 研究員 栗原拓哉
研究体制:ATR、同志社大学
研究概要:本研究開発では、近接センサーや紙厚センサーとして用いることができる新しいタイプの非接触センサーの開発に成功しました。本技術は、電波を用いてアンテナインピーダンスを測定することでセンシングを行います。従来の光学センサーは太陽光の、レーザーセンサーは検査対象の表面の粗さの影響を強く受けましたが、開発した電波を用いる方式は、それらの影響を受けにくいという特徴があります。また、検出対象に直接触れずにセンシングを行うため、センサー自身や検出対象の損傷・摩耗による劣化がなく、衛生的であり、移動する物体のセンシングも容易です。この提案方式を用いて、物体の有無を非接触で検知する近接センサーを開発し、アンテナから数cm程度の距離にある人体ファントムの有無を検出することを実証しました。また、非接触で紙厚を検出する紙厚センサーも開発し、100~200μm程度の厚みの紙を±25μm程度の精度で検出できることも確認しました。今後は、提案センサーを製造業における生産技術に展開することを目指して、更なる開発を進めていく予定です。
(詳細は付属資料の技術課題4をご覧ください。)
【技術課題5】
技術課題名:三次元全方位走査フェイズド・アレイ・レーダーの研究開発
研究代表者:WaveArrays株式会社 代表取締役 賀谷信幸
研究体制:WaveArrays、神戸大学
研究概要本研究開発目標は、高速測定可能なレーダーを目標として三次元全方位走査フェイズド・アレイ・アンテナを開発し、その性能を実証することです。更に種々の有用な応用に適したアンテナに発展させて、社会実装を目指します。三次元全方位走査フェイズド・アレイ・アンテナは、前例のない周囲全方位に電子的にビーム走査可能なフェイズド・アレイ・アンテナで、汎用な使用目的から宇宙デブリの観測まで多くの有用な応用に適応できるアンテナです。目標達成のために、三次元全方位走査フェイズド・アレイ・アンテナのハードウェアの高性能化と高機能化、最先端技術によるデータ処理システムと高速アルゴリズムの開発を実施しました。三次元全方位走査フェイズド・アレイ・アンテナとは、ポール内にアンテナ素子を一次元に並べ、複数のポールアンテナを二次元的に配置することにより、三次元の立体構造に拡張し、全方位にメインビームを走査可能にしたフェイズド・アレイ・アンテナです。パラボラアンテナで使用している機械式駆動装置を用いることなく、電子的かつ超高速に天空全方位を走査可能なアンテナです。デジタル・ビーム・ホーミングの手法を用いることにより、受信データを取得した後に所要の通信対象を選別することが可能となり、アンテナ利得を最大にし、多くの通信を同時に行うことが可能となる大きな長所を持つアンテナです。応用として、気象や障害物測定などのための超高速全方位走査レーダー、複数衛星との同時通信用アンテナ、自動追尾ポータブル・アンテナなど、従来のパラボラアンテナに代わる次世代のビーム走査アンテナです。本研究では、三次元全方位走査フェイズド・アレイ・アンテナの技術を確立するために、宇宙ステーションから放出された小型衛星の信号を受信し、その性能を実証しました。また、切れ目のない全方位性を高めたアンテナ素子を実現するために専用MMICを設計試作し、実用的な性能を得ることに成功しました。
(詳細は付属資料の技術課題5をご覧ください。)
【6/6電波COEシンポジウムの開催】
なお、電波COE研究開発プログラムの推進、5つの研究開発成果の詳細を報告、議論するシンポジウムを以下の通り本年6月に開催する予定です。合わせてご案内いたします。
イベント名:第4回 電波利活用強靭化に向けた電波COEシンポジウム
日時:2023年6月6日(火曜日)13:00-18:00
場所 京都テルサ(ハイブリッド開催)大会議室(B, C)
https://www.kyoto-terrsa.or.jp/parking/
参加費:無料
申込・プログラム等詳細:https://w-coe.jp/4th-symposium/

以上です。本研究開発プログラムは、総務省SCOPE(受付番号JP196000002)の委託を受けて実施しました。
【株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)について】
所在地:京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2(けいはんな学研都市)
代表者:代表取締役社長 浅見 徹
事業内容:脳情報科学、深層インタラクション科学、無線通信などの情報通信分野と生命科学に関する研究開発及び事業化
URL:https://www.atr.jp/
【国立大学法人京都大学について】
所在地:京都府京都市左京区吉田本町
代表者:総長 湊 長博
事業内容:教育研究活動に関する事業
URL:https://www.kyoto-u.ac.jp/
【学校法人福岡大学について】
所在地:福岡県福岡市城南区七隈八丁目19番地1
代表者:学長 朔 啓二郎
事業内容:教育研究活動に関する事業
URL:https://www.fukuoka-u.ac.jp
【学校法人同志社 同志社大学について】
所在地:京都府京都市上京区今出川通烏丸東入玄武町601番地
代表者:学長 植木 朝子
事業内容:教育研究活動に関する事業
URL:https://www.doshisha.ac.jp/
【国立大学法人神戸大学について】
所在地:兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1
代表者:学長 藤澤 正人
事業内容:教育研究活動に関する事業
URL:https://www.kobe-u.ac.jp/
【株式会社日新システムズについて】
所在地:京都府京都市下京区堀川通綾小路下る綾堀川町293-1 堀川通四条ビル
代表者:代表取締役社長 竹内 嘉一
事業内容:組込みシステム開発
URL:https://www.co-nss.co.jp
【株式会社日立国際電気について】
所在地:東京都港区西新橋2-15-12(日立愛宕別館6F)
代表者:代表取締役 社長執行役員 佐久間 嘉一郎
事業内容:映像・通信・情報ソリューション及び研究開発
URL:https://www.hitachi-kokusai.co.jp/
【WaveArrays株式会社について】
所在地:兵庫県尼崎市武庫之荘五丁目44番9号
代表者:代表取締役 賀谷 信幸
事業内容:三次元走査立体フェイズド・アレイ・アンテナとマイクロ波無線送電に関する研究開発及び事業化
URL:https://wavearrays.com/
〈お問い合わせ先〉
株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR) 経営統括部 企画・広報チーム
〒619-0288 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2
Tel:0774-95-1176 Fax:0774-95-1178
E-mail:pratr.jp
付属資料 技術課題1
技術課題名:Society 5.0の実現に向けた大規模高密度マルチホップ国際標準無線通信システムの研究開発
推進機関:日新システムズ、京都大学
研究成果内容:本研究開発では、無線マルチホップ規格の開発、規格化としてCSL(Coordinate Sample Listening)を利用した低消費電力デバイスLFN(Limited Function Node)用通信方式をWi-SUNFAN通信ハードウェアに実装し、その基本特性を評価し、その結果を反映した仕様をWi-SUN FAN標準化グループに提案しました(図1参照)。
 また、FSK 600kbps について、チャネル間を狭めることにより効率的な帯域の利用が行える方式の提案を行い、IEEE802.15.4aaとして採用されました。
 さらに、この無線通信方式を実現できる無線機とその無線機を集約できる試験機の開発を行い、その無線機1,000台を用いて、マルチホップ接続にて伝送成功率99.9%以上でデータ収集できることを実証しました(図3参照)。また、屋外での自律ネットワーク構築の実証として京都大学構内の 68,000 ㎡の範囲内に建物の影や奥側になる場所などを含めた 400 台の無線機を設置し、Wi-SUN FAN の自律ネットワーク構築機能により、障害と建物を迂回するようなネットワークが自動的に構築され、範囲内に設置された全ての無線機がネットワークに収容されることを確認しました(図4参照)。

付属資料 技術課題2
技術課題名:冗長検査情報を用いる通信品質要因解析に基づく無線アクセス技術の研究開発
推進機関:京都大学、福岡大学、ATR
研究成果内容:本技術課題では、通信品質の要因解析に繋がるものの、従来活用されてこなかった各無線機器の送受信タイミングや伝搬路の状態などの情報を「冗長検査情報」として集約し、AI・機械学習を用いた制御を行うことでスループットや衝突発生確率の改善を実現しました。
 まず、無線LANにおいて送受信タイミングを冗長検査情報として集約し、強化学習により周囲の通信状況に応じて送信可否や最適な伝送速度を判断することにより、スループットを50%以上向上させる無線機アーキテクチャの実現に成功しました(図1参照)。
 さらに、無線LAN以外の無線利用システムとの共存環境において、強化学習により衝突発生確率を半分以下に軽減する送信チャネル選択技術の実現に成功しました(図2参照)。。
加えて、無線LANで受信機から送信機にフィードバックされている伝搬路に関する情報を活用することで、リアルタイムでの侵入者検知、呼吸数推定を実現する技術を開発するとともに、これらが可能な原理を明らかにしました(図3参照)。

付属資料 技術課題3
技術課題名:広域系WRANを用いた高能率周波数共用システムの研究開発
推進機関:京都大学、日立国際電気
研究成果内容:本研究開発では、VHF帯を用いる広域系WRAN(Wireless Regional Area Network)の伝搬・伝送特性を利用して、Sub6GHz帯の干渉を予測・回避し、高効率なSub6GHz帯周波数共用を実現する技術を開発しました(図1参照)。
 要素技術として、周波数共用による干渉エリアを高効率に予測する電波保護領域算出モデル(図2参照)や、VHF帯の受信信号から算出した瞬時インパルス応答を機械学習することで、電波の受信のみで当該電波の出力源(周波数共用によって新たに周波数を利活用したい端末)の位置を推定する技術を開発しました(図3参照)。
 さらに、開発した要素技術を結合し、京都市左京区の市街地環境において、実際にVHF帯電波を用いた総合実証試験を実施しました(図4参照)。 この実証試験においては、まず、京都市左京区修学院に所在する建物屋上に設置したARIB STD-T103/119の基地局と、VHF帯の電波を用いて通信を行う移動端末を搭載した車両を白川通沿を南方向に移動させました。そして、京都市左京区吉田本町に所在する京都大学構内の建物屋上に設置した電波センサーでこの移動端末が発射するVHF帯電波を受信し、提案手法によりこの受信した電波の特徴量から移動端末の位置を推定し、当該移動端末が周波数共用によって干渉を及ぼすエリアをリアルタイムに割り出すシステムの実証に成功しました。

付属資料 技術課題4
技術課題名:電波を用いた新しい近距離センシング技術に関する研究開発
推進機関:ATR、同志社大学
研究成果内容:本研究開発では、近接センサーや紙厚センサーとして用いることができる新しいタイプの非接触センサーの開発に成功しました。
1. 近接センサー アンテナから微弱な電波を放射することで、アンテナ正面の検出対象物体の有無を検出する技術を開発しました(図1参照)。電波には樹脂等を透過する性質があるため、筐体等に収めることが可能です。我々は、アンテナから数cm程度の距離までの検出対象物体の有無を検出できることを実証しました。
2. 紙厚センサー 従来は、機械的に紙を挟む方法や、光やレーザーの透過や反射を利用する方法が用いられていましたが、機械的な方法は摩耗が、光・レーザーでは色や表面の状態の影響で誤判定が起きるといった問題がありました。今回、アンテナと金属板で構成したギャップに微弱な電波を放射し、そのギャップに紙を挿入されたときの電波の状態の変化から、紙の厚みを検出するセンシング技術を開発しました。この方法は、機械的な摩耗もなく、光・レーザーのような色や表面の状態の影響を受けずに、紙の厚みを測定することが可能です(図2参照)。

付属資料 技術課題5
技術課題名:三次元全方位走査フェイズド・アレイ・レーダーの研究開発
推進機関:WaveArrays、神戸大学
研究成果内容:1.衛星受信用三次元全方位走査フェイズド・アレイ・アンテナの性能評価
 既製品のディスクリートICを用いた衛星受信用Sバンド三次元全方位走査フェイズド・アレイ・アンテナの性能評価として、衛星からのRF信号の受信試験を実施しました。2023年1月に宇宙ステーションから放出された小型衛星からの信号を、三次元全方位走査フェイズド・アレイ・アンテナで受信することに成功しました。受信した仰角が軌道と一致、信号の帯域幅が一致、中心周波数が低い周波数にシフトし、衛星のドプラーシフトと一致したことから、小型衛星からの信号と判断し、衛星担当者からの確認も得ました。今後、更にアンテナの性能を確認し、カナダとスエーデンの極域の受信基地での衛星同時受信の試験を実施します。
2.次元全方位走査フェイズド・アレイ・アンテナ用MMICの開発設計
RF回路を小型化し、アンテナ素子と一体化するために、RF回路を一つの専用MMICに集約することを目指しました。2021年に米国GlobalFoundries社のシャトル便にTape Outしたアンテナ素子用MMICでは、SバンドのLNAで28dBのピークゲインを得ました。ミキサーの変換ゲインでは、試作したMMICで設計以上のゲインを得ました。XバンドのLNAとミキサーを直結した回路では、RF入力からIF出力の変換ゲインとして設計通りで、実用レベルの結果を得ました。今後は、ディスクリートICに代わり、フェイズド・アレイ・アンテナにMMICを実装し、三次元全方位走査フェイズド・アレイ・アンテナを完成させ、レーダーをはじめ種々の有用なアンテナとして社会実装を進めます。