プレスリリース
令和 4年 4月 30日
株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
警備員ロボットの実証実験開始!
~人のかわりに、ロボットがイベントの行列整理を行います~
- 株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は、イベント会場での行列整理を行う警備員ロボットの実証実験を、ATC(アジア太平洋トレードセンター) ATC ホールで開始致します。
- この警備員ロボットは、イベントへやってきたお客様を行列の最後尾へと誘導する「誘導サービス」に加え、行列の割り込みといったその場にそぐわない、ふさわしくない行為を行っているお客様へロボットから注意を促し、ご協力をお願いする「注意喚起サービス」を実現致しました。
- 今後は、開発した誘導サービスおよび注意喚起サービスの効果を、実証実験を通じて明らかにしていきます。
概要
株式会社国際電気通信基礎技術研究所(以下「ATR」、本社:京都府相楽郡精華町(けいはんな学研都市)、代表取締役社長:浅見徹)は、この度、イベントの行列整備サービスを行う警備員ロボットを開発しました。
4 月30 日~5 月8 日の期間中に、イベント会場(「きかんしゃトーマスとなかまたち わくわくフェスティバル」/大阪南港ATCホール 大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10)において、警備員ロボットが、人々の状況に応じて「最後尾への誘導」
や「行列への割り込みへの注意喚起」といった行列整理を行うロボットの実証実験を実施し、サービスの効果を明らかにしていきます(図1、図2)。
背景
少子高齢化に伴う人手不足により、人々に代わってサービスを行うロボットの実現が期待されています。イベントで生じる行列整理も、人手不足が生じている分野の1つです。
イベントの対応を含んだ警備業務の有効求人倍率(警備員1人辺りに対する求人の量)が、令和 4年 2月に6.17 倍と慢性的にも人手不足な状況へと陥っています(厚生労働省 職業安定業務統計)。
こうした状況を踏まえ、イベントでの行列整理を行う警備員ロボットの研究開発への取り組みを開始致しました。
今回の取り組み
ATR では、ロボットが人々の日常生活に溶け込み、様々なサービスを行うという、人とロボットの共生社会の実現に向けて研究開発を進めて参りました。この度、人とロボットの共生社会の将来像の一例として、イベント会場にて、お客様への行列整理を行う警備員ロボットを実現し、実証実験を開始致します。警備員ロボットは、イベントへとやってきたお客様に、イベントの情報をお伝えしつつ、行列の最後尾へと誘導する「誘導サービス」に加え、行列への割り込みといったその場にそぐわない、ふさわしくない行為を行っているお客様へロボットから注意を促し、ご協力をお願いする「注意喚起サービス」を行います。実証実験を通じて、警備員ロボットが提供する「誘導サービス」による行列への誘導効果や、「注意喚起サービス」による見守り効果を明らかにします。行列への誘導を行うためには、行列に並ぶ人々の行動を正しく認識する仕組みが必要です。さらに、注意喚起型のサービスを行うためには、正しく行列に並んでいる人でなく、行列に割り込むといったその場にふさわしくない行動を認識する仕組みも必要となります。そこで、警備員ロボット自身に装着された3次元LiDAR※1を用いて、行列に並ぶ人々の行動を認識する技術を統合し、行列整理を行う警備員ロボットを実現しました。
今後の展開
イベント会場において、誘導サービスと注意喚起サービスを同時に行う警備員ロボットの実証実験は、世界でも最先端の試みです。本実証実験を通じて、この新たな警備員ロボットが社会に受け入れられるための改良を進めながら、警備員ロボットが提供できるサービスの種類を増やしていきます。将来的には、実現した技術をサービスロボット開発に携わる人たちに提供していく予定です。【用語解説】
*1:LiDARは、レーザ光線を利用して物体までの距離を計測する技術です。3次元LiDARは、複数のレーザを照射して、3次元の空間情報の計測を行います。
【研究支援】
本研究開発は、JST 戦略的創造推進事業(CREST) 研究領域「人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開」(研究総括:間瀬健二 名古屋大学 教授)、研究課題名「街角環境で共生するロボットのインタラクション基盤技術(研究代表者:神田崇行)」により実施しています。
本研究開発は、JST 戦略的創造推進事業(CREST) 研究領域「人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開」(研究総括:間瀬健二 名古屋大学 教授)、研究課題名「街角環境で共生するロボットのインタラクション基盤技術(研究代表者:神田崇行)」により実施しています。
■株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)について
本社:〒619-0288 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2(けいはんな学研都市)
代表者:代表取締役社長 浅見 徹(あさみ とおる)
TEL:0774-95-1111
URL:https://www.atr.jp/
事業内容:脳情報科学、深層インタラクション科学、無線通信などの情報通信分野と、生命科学に関する研究開発及び事業開発
【本件に関するお問い合わせ先】
<報道全般、ATR全般に関するお問い合わせ>
■株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
経営統括部 企画・広報チーム
TEL:0774-95-1176
FAX:0774-95-1178
Email:pratr.jp
<GW 期間でのお問い合わせ>
■株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
深層インタラクション総合研究所 冨田
TEL:090-4301-0030
Email:hr-lab-expatr.jp
<研究に関するお問い合わせ>
■株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)
深層インタラクション総合研究所 佐竹、神田、冨田
TEL:090-4301-0030
Email:satoruatr.jp
<実施施設に関するお問い合わせ>
■アジア太平洋トレードセンター株式会社
広報企画室
TEL:06-6615-5230
Email:t-imonoatc-co.com
(注:は、画像です。)